アセスメント研修
本プログラムは、組織の中のマネジメント候補の方達の個々人のマネジメントスキルを事前に客観的に診断・評価するプログラムです。
社内の人事考課だけでは被考課者やその本人の置かれている担当業務の外部・内部の環境要因等により、納得性や妥当性に疑問点を残す場合も少なくありません。そこで、本プログラムでは被考課者本人の職務内容や、業務成績、学歴等全く知らない立場にいる外部の専門アセッサーが、行動観察手法をベースに本人のマネジメントスキルを客観的に診断・レポートします。
弊社により運営されているアセスメントプログラムには、以下の2つの展開方法があります。
1.マネジメントアセスメント方式
上記に挙げたことを狙うプログラムです。研修終了後に参加者個人ごとにフィードバックレポートを作成提出することにより、参加者のマネジメント能力の診断、あるいは人材の選抜・適正配置等の重要資料とします。人事戦略プログラムの一環としての位置付けと運用です。
2.セルフアセスメント方式
研修終了後の個人別フィードバックレポートは提出しません。但し、研修時に各演習ごとにVTR/相互/講師/フィードバックのセッションをきめ細かくすることにより、参加者は自己のマネジメントスキルの強弱や行動特性に関する気付きを深めることが出来ます。マネジメントスキルのブラッシュアップを図る能力開発プログラムとしての運用です。
アセスメントプログラムの特徴
1.職場におけるマネジメント環境は4つの状況に集約して考えることが出来ます。
①集団状況(会議、打ち合わせ等複数のメンバーで討議を行い問題解決する状況)
②個人状況(誰とも相談しないで一人で問題解決をする状況)
③個人対個人状況(1対1による対話・面談による問題解決状況)
④個人対集団状況(プレゼンテーションによる問題提起や影響力を発揮する状況)
の4つのシミュレーション演習です。
上記の各状況を本プログラムでは次の4つの演習にてシュミレーションします。
■グループディスカッション演習(GD)
マネジメント上の課題を、グループ討論する。主張や反論等の発言内容ややり取りの様子を観察する。各メンバーそれぞれの持つ集団での影響力、コミュニケーション特性、周囲への配慮性、合意形成力等の特性が観察される演習。
■インバスケット演習(IB)
限られた時間の中で多量の案件を個人処理する。個人処理した案件を持ち寄り、グループでより効果的な解決方法を議論し回答を出す。①情報の取捨選択、②問題発見、③課題形成、④判断、⑤決断、⑥解決の深度、確度、⑦人材(部下)活用等々に関する特性が診断・開発できる演習
■面接演習(IS)
問題のある部下を対立葛藤する状況でいかに効果的に説得・指導、動機付けして行くかの体験学習である。説得力、統制力、感受性、モチベーション力等の対人スキルの特性が観察される演習。
■プレゼンテーション演習(P)
事前課題を与えプレゼンテーションを行う。
課題例:あなたが直近○○の期間で最も組織貢献出来たと思うものを挙げ、次のステップに沿って整理、発表して下さい。・・・
対集団へのコミュニケーション、ストレス耐性等の特性が観察できる演習。各演習で観察されたことが、実務でどのように発揮されているのを診る手掛かりともなる。
■上記で挙げた各演習は参加者のマネジメント能力が外面化するよう心理学的にデザインされています。また、主な演習場面はVTR収録し、各演習毎にVTR再生し、参加者相互で振り返りを行います。従って、参加者は自己のマネジメントスキルの強弱を客観視することが可能になり、明確な気付きがなされます。
研修展開例
大手小売業A社のアセスメント展開例
コンピテンシーを開発し役員を含めて部長クラス対象にアセッサー養成コースを実施。社内アセッサー25名を養成。社内アセッサーとともに、全マネジャー(部長)、店長、そして店長候補者(次長)のアセスメントを実施中。また、アセスメント結果にて明らかになった研修ニーズをもとに、店長研修、次長研修と各年度でテーマを決めて45コースを実施。研修では、店舗現場のヒアリングをもとに自社版の事例教材を複数制作し実践的なワークショップ形式の研修運営を行っている。
運輸・鉄道B社の展開例
課長選抜アセスメントを8年間にわたり実施。アセスメント及び、Reアセスメント(アセス再チャレンジコース)を実施。また、同社にて蓄積されたノウハウをもとにクライアントとともに新卒社員選考アセスメントを共同で開発運営した。現在は同社グループ企業のアセスメントプログラムへと水平展開している。
中堅小売業D社のアセスメント展開例
店長及び、店長候補者対象に診断型アセスメントを実施中。経営者、役員、現場の方々からヒアリングと現場観察を行い、該当業種店長の固有のマネジメントスキル要件を4項目見出し、通常アセスのディメンションに付加してプログラム化している。付加要素に関しては社内アセッサーの方と共同のBEI(Behavioral Event Interview)方式で運営している。通常アセスに比して“現場力の強い能力”の発見に成果を出している。